序
オプジーボ(商品名:ニボルマブ)はその高額薬価設定から、大変な注目を浴びている。
適切な効果が期待できない低用量で使う悪徳自由診療クリニックが横行している現状もあり各所で問題が多発しているようだ。
このように高額な薬剤がでると、お金と命の価値についてさまざまな議論が出る。
高額療養費を利用すれば、自己負担額上限までの支払いで済み、残りは国から補助が出るから患者支払いは全体の額からすれば微々たるものになる。
C型肝炎の治療薬ハーボニーの時もそうであったが、薬剤があまりにも高額だと使用を遠慮する人がいる。「私の命のために、そんな高いものを使わなくて良い。他の価値ある人に譲って下さい」と勇気あることをおっしゃる方いる。
一方で、「自己負担上限が定まっているから、使えるならどんどん使って欲しい」という人がいる。
どちらの人に使って欲しいだろうか。そもそも、こんな議論をする事自体問題なのかもしれないが.........。
さて、価格の議論は他に譲るとして薬の効果はどの程度なのだろうか?
果たして、オプジーボは夢の新薬なのだろうか?
確かに作用機序は画期的だと思う。しかしながら、奏功する人も多い一方、あるタイプの人は逆に寿命を短縮する可能性を孕んでいることは心に留めておかなければならない。詳細は後述する。
なぜ、これほどまでに薬価が高いのか?
細かくは薬価の算定方式を参照する必要があるが、ここではその大きな理由とされている部分を2つ紹介する。
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