バイオシミラー使用促進にかかわる議論の場
バイオシミラー(BS)に関する議論の場としては、これまで「日本ジェネリック医薬品学会」を中心に行われてきたと思われる。
企業の立場としては、日本ジェネリック医薬品協会(JGA)の中の「バイオシミラーワーキンググループ」があるが、JGAそのものに参加している製薬企業が限定されており、論点や意見を明示できていたとは言いがたい。
新薬開発も行っている企業は日本製薬工業協会(製薬協)に加盟しており、BS開発企業が一致した行動ができているとは言いがたい。
こうした問題もあってか、2016年4月に「バイオシミラー協議会」が設立された。しかしながら、BSを開発していながら同協議会への参加の立場を明きらかにしていない企業もあり、業界の意見がそろっているわけではない。
一方、国会での議論も盛んである。2015年3月には、与野党の国会議員が呼び掛け人となり、「バイオシミラー使用促進議員連盟」が設立された。本会は、BSの使用促進を目的とした超党派の議員連盟であり、自民党の松本純氏が会長であり、設立の総会では筆者が記念講演をした。
バイオシミラー使用促進議員連盟設立総会(2015年3月27日)
松本純議員ホームページより。http://www.jun.or.jp/diary/2015-03.htm
BSに関わる論点
BS使用促進議員連盟は、その名称の通りBSの使用促進を目的としているが、より具体的な目標は、BSを含むバイオ医薬品の産業育成と、BS使用促進による薬剤費コントロールの2つがあるように思われる。
一方、本年2016年11月には、自民党の医療系議員が「バイオ医薬品勉強会」を立ち上げる意向であることが明らかになった。
こちらの勉強会は、「バイオ医薬品(先行品)とBSについて勉強し直そうというもの。実質的には、BS使用促進の流れに『待った』をかける意味合いが強く、超党派の議員で構成される『BS使用促進議員連盟』とは一線を画している」とされる(日刊薬業11月11日記事)。
これらの動きをまとめてみると、BSを含めたバイオ医薬品にかかわる議論の問題点が以下のように整理できる。
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