連載第2回「薬局、薬剤師を取り巻く環境変化」
医薬分業に関る平成27年度の議論
周知のとおり、平成27年度は医薬分業や薬局業務に対して極めて厳しい意見が相次いだ。
1つの発端は、薬歴無記載による調剤報酬請求や無資格者による調剤行為が一般マスコミに大きく取り上げられたことであったが、経済財政諮問会議などで医薬分業にかかる指摘が行われた。
また、「経済財政運営と改革の基本方針2015」でも医療・介護提供体制の適正化など、薬局機能や調剤報酬の見直しについて幅広い指摘がなされている。
○ 経済財政諮問会議:医療費の適正化の観点から、調剤重視から服薬管理・指導重視とすべき。
○ 規制改革会議:医薬分業を推進する観点から、コストに見合ったサービスを提供する、患者の利便性を確保する観点から、薬局の構造規制を見直すべき。
○ 財政審:院内処方との比較も踏まえ、調剤技術料の抜本的な適正化を行う、重複受診・多剤投与など医療の無駄排除に向けた取組を進めるべき(財務省提出資料)。
その一方で、医薬分業への批判に応えるため、厚労省により
○ 健康サポート薬局のあり方について(平成27年9月)
○ 患者のための薬局ビジョン(平成27年10月)
が相次いで公表され、「かかりつけ薬剤師」、組織体としての「かかりつけ薬局」の機能が示された。
以下、平成28年度調剤報酬改定の概要、具体的内容、介護報酬と診療報酬の同時改定となる次回平成30年度改定について触れる。
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